ここではインターネットにおいて、データを送信する方式について見ていきます。
パケット交換方式
インターネットでは、データを「パケット( packet )」に分割して送信します。パケットとは日本語にすると「小包み」ですので、その言葉からデータを小さく分けて分割している様が分かるかと思います。ちなみに、1 パケットの最大サイズは 1,500 バイトとされています。2024年現在、スマホで撮影した画像のファイルサイズは 2MB ( = 2 X 106バイト)を超えることはザラですので、パケットはかなり小さく分割されている事が分かります。
さて、データを小分けにして通信を行うと何が嬉しいのでしょうか?
それは、同じ回線に異なる送信元および宛先のデータを混在させることができる事です。言い換えれば、大きいデータサイズを送りたくても、回線に空きがなければそれはできません。一方で、データを小さくパケットにしておけば、1パケット分でも空きがあればとりあえずその分を送信することができます。また、回線は同じものを使う必要はなく、別の回線に空きがあればそれを使ったりします。つまり回線が有効に利用できるようになる訳です。これは「通信速度を高速化できる」とも言い換えることができるでしょう。
以上が「パケット交換方式」によるデータ通信の概要です。実際に「パケット交換方式」によるデータ通信を実現するためには、各パケットに「伝送先」や「送信元」、「送信先のアドレス」、「通し番号」などを付け加えておく必要があります。この情報を、「ヘッダ情報」と呼びます。「小包み」一つ一つに送り状がないとうまく送ってもらえませんし、通し番号がなければデータが届いた側でもデータを復元できませんよね(先述したようにパケットは異なる回線を使用したりしますから、宛先に通し番号順に届くとは限りません)。
回線交換方式
「パケット交換方式」と対になる通信方式が「回線交換方式」です。これは、昔ながらの電話などで使われていた通信方式で、通信(通話)する2点間を直接接続する回線を確立して、通信を行う方式です。利用する2者にとっては、他のヒトに影響される事がなく問題がありません。一方で他のヒトにとっては、その占有された回線を利用することができず、不便です。よって世界中の人々が使用するインターネットの世界には不向きな通信方式と言えるでしょう。