まいにち診断士 2021/12/09
【2次試験対策】
本日は、正味現在価値の計算問題で、過去問 (R2 事例Ⅳ 第2問 設問2)の一部です。
(条件文が長い問題なので、じっくり考えましょう。)
問題
ステーキ店が計画する広告宣伝について、正味現在価値を以下の条件のもとで計算せよ。
(会計年度は4月〜3月)
(条件)
・広告宣伝の契約は次期期首に締結し、当初契約は3年間である。
・広告料は総額15百万円であり、20X2年4月1日から、毎年4月1日に5百万円ずつ支払う。
・広告宣伝の効果が出る場合には毎年35百万円の営業キャッシュ・フロー(税引後)を契約期間中継続して見込んでいる。
・広告宣伝の効果が出ない場合には毎年△5百万円の営業キャッシュ・フロー(税引後)を契約期間中継続して見込んでいる。
・上記営業・キャッシュフローにに広告料は含まない。
・効果が出る確率は70%と想定されている。
・効果が出る場合、広告宣伝の契約を2年間延長する。
・広告料は総額10百万円であり、毎年4月1日に5百万円ずつ支払う。
・延長後も広告宣伝の効果は出続け、営業キャッシュ・フローの見込み額は同額であるとする。
・その後、20X7年3月31日に閉店し、同日に、その時点で所有する資産の処分を予定している。
・資産の処分から得られるキャッシュ・フローは24百万円を予定している。
・効果が出ない場合、3年後の20X5年3月31日に閉店し、同日に、その時点で所有する資産の処分を予定している。
・資産の処分から得られるキャッシュ・フローは28百万円を予定している。
・将来のキャッシュ・フローを割り引く必要がある場合には、年8%を割引率として用いる。
利子率8%のときの現価係数は以下のとおりである
現価係数:(1年)0.926、(2年)0.875、(3年)0.794、(4年)0.735、(5年)0.681
答え
キャッシュアウトとキャッシュインに分けて考えてみます。
キャッシュアウト:広告宣伝費
ー5(百万円)x (1 + 0.926 + 0.857 + 0.794 + 0.735 )= ー21.56 (百万円)
※広告宣伝費の支払いは、期首に発生するので初年度の現価係数は1となります。
※※ー5(百万円)が一定なので、現価係数の和を掛けて計算すると楽ですね。
キャッシュイン:営業キャッシュ・フロー
35(百万円) ×( 0.926 + 0.857 + 0.794 + 0.735 + 0.681 )= 139.755 (百万円)
※これは、期末に発生すると考えられるので、1年目からの現価係数を使用します。
キャッシュイン:資産の売却
24(百万円)× 0.681 = 16.344 (百万円)
※20×6年度に資産を処分する予定なので、5年後のみ特別にキャッシュインが生じます。
最後に、この投資案件の成功確率が70%であることから、
賞味現在価値(NPV)=(ー21.56 (百万円)+139.755 (百万円)+16.344 (百万円))x 0.7
=94.1773(百万円)
となります。