まいにち診断士 2022/06/20
【2次試験対策】
本日は、事例Ⅳ でおなじみの「安全性分析」です。
「東宝」と「東映」の当座比率を計算してみます。
問題
「東宝」と「東映」の 2020年度の有価証券報告書によれば、それぞれの「現金及び預金」、「受取手形及び売掛金」、「有価証券(売買目的)」および「流動負債」は以下のとおりであった。
(東宝)現金及び預金:37,530(百万円)、受取手形及び売掛金:20,345(百万円)、有価証券:39,094、流動負債:39,473(百万円)
(東映)現金及び預金:68,516(百万円)、受取手形及び売掛金:20,194(百万円)、有価証券:ー、流動負債:46,747(百万円)
上記条件内で「当座比率」を計算し、その値のみで、どちらの安全性が高いかを判断せよ。
答え
(東宝)(37,530 + 20,345 + 39,094)/ 39,473 x 100 ≒ 245.66(%)
(東映)(68,516 + 20,194)/ 46,747 x 100 ≒ 189.77(%)
よって「東宝」の方が「当座比率」のみから見た場合、その値が高い( ≒ 借入の返済に十分な資金が用意されている)ため安全性が高い。
「当座比率」は、経営指標の中でもその名称から式がすぐに浮かびにくいものの一つかと思います。
例えば、「売上高営業利益率」であれば、「売上高」と「営業利益」を使った式だろうと予測できますよね。
あらためて、「当座比率」の式を確認すると、
「当座比率」= 「当座資産」 ÷ 「流動負債」 × 100 です。
まずはじめに、「流動負債」が「当座比率」という名前の中にでてこないのが曲者ですね。
また「当座資産」という名称も、その名前から、どの値(勘定科目)を使えば良いの分かりにくいのではないでしょうか?
ですので、ここで「当座資産」について覚えてしまいましょう。
一般的に「当座資産」は、流動資産の中でも「現金」もしくは「短期間で容易に現金化できる資産」のことです。
例として、以下の勘定科目があげられます。
・現金、普通預金(これは当たり前ですね。。)
・売掛金、受取手形、営業債権、未収金(まだ現金化されていない売上債権などですね。)
・売買を目的とした有価証券(基本的に流動資産内に計上されているものがこれにあたり、今回は東宝にありました。)
他にもあるようですが、とあえず以上を軸に「おおよそ1年以内に現金化できそうか?」とう目でみるとよさそうです。
また、棚卸資産(自社が販売目的で保有する在庫など)は「当座資産」に含まれないことにも注意しておきましょう。
(在庫を持っても1年以内に販売できるとは限りませんもんね。。)