まいにち診断士 2021/11/14
本日は、与えられた目標利益を達成するために必要な販売量を算出する問題です。
2次試験、事例Ⅳの設問1 で問われている問題です。
問題
D社は、魚種 X の養殖事業をスタートするに当たり、年間1,500万円の利益を達成したいと考えている。この目標利益を達成するための年間販売数量を求めよ(単位:kg)。なお、魚種 X の 1kg 当たりの販売単価は1,200円とし、その他の条件は以下のとおりである。また、答えは小数点以下を切り上げて解答すること。
(養殖事業の条件)
・最大年間養殖量が 50,000kg の水槽で養殖を行う。
・上記の水槽で、魚種 X を 50,000kg 生産した場合の総経費は 3,000万円
・上記の総経費に占める変動費の割合は60%、固定費の割合は40%と見積もられている。
(令和3年 2次試験 事例Ⅳ 第3問より)
答え
目標利益 = 売上高 ー 変動費 ー 固定費 ・・・(式1) がベースとなる式です。
この式を変形し、明示的に与えられている条件である、目標利益を代入すると、
売上高 = 1,500(万円)+ 変動費 + 固定費 ・・・(式2)となります。
次に、変動費と固定費を問題文から算出していきます。
まず分かりやすい固定費は、条件分から、
固定費 = 総経費 x 40% = 3,000(万円)x 0.4 = 1,200(万円)・・・(式3) です。
次に、変動費は売上高が決まらないと確定できない金額ですので、売上高を用いた変数のままにしておきます。
つまり 変動費 = 売上高 x 変動費率 として (式2)に代入すれば(式2)中の変数は売上高のみになるので、解くことができます。
しかしながらこの問題は、その変動費率を導くのに多少のイジワルを仕込んでいます。
今わかっているのは 3,000(万円)のうち、60%が変動費であるということです。
よって 3,000(万円)x 0.6 = 1,800(万円)が変動費です。
これがどのくらいの生産量(養殖量)に対してであったかというと、50,000(kg) に対してです。← ここがイジワル!
以上の、生産量は (kg) で与えられていますので、与えられた販売単価 1,200(円/kg)から金額になおす必要があり、
変動費率 = 実際の変動費額 / 生産額
= 1,800(万円)/ 50,000(kg) x 1,200(円/kg)
= 1,800(万円)/ 60,000,000(円)
= 0.3 となります。
ようやく、(式2)に戻って、
売上高 = 1,500(万円)+ 売上高 x 0.3 + 1,200(万円)となり
0.7 x 売上高 = 2,700(万円) で、
売上高 = 3,857.14(万円) これが、1,500(万円)の利益を達成するために必要な売上高です。
さあ、勇気をふりしぼって、最後のイジワルに立ち向かいましょう!
そうです、この問題で問われていたのは、生産量だったのです。
よって、単価を利用して(ここでもイジワルが! 単価は1,200(円/kg)です!)
3,857,14(万円) ÷ 0.12(万円/kg) = 32,142.83・・・・
≒ 32,143(kg) これが答えです!
この問題は、目標利益を達成するための売上高の算出を、
単位変換させることで、小難しくしている問題でした。