まいにち診断士 2021/11/15

本日は、加重平均資本コスト（WACC）を算出する問題です。

２次試験、事例Ⅳの設問1 で問われている問題です。

問題

　D社の貸借対照表をもとに、加重平均資本コスト（WACC）を求めよ。なお、株主資本に対する資本コストは 8%、負債に対する資本コストは 1%とし、利益に対する税率は 30%である。また、答えは小数点第3位を四捨五入すること。

D社の貸借対照表　（単位：百万円）　

＜資産の部＞		＜負債の部＞
流動資産	388	流動負債	290
現金及び預金	116	仕入債務	10
売上債権	237	短期借入金	35
たな卸資産	10	未払金	ー
前払費用	6	未払費用	211
その他の 　流動資産	19	未払消費税等	19
固定資産	115	その他の 　流動負債	15
有形固定資産	88	固定負債	34
建物	19	負債合計	324
リース資産	ー	＜純資産の部＞
土地	66	資本金	50
その他の 　　　有形固定資産	3	資本剰余金	114
無形固定資産	18	利益剰余金	15
投資その他の資産	9	純資産合計	179
資産合計	503	負債・純資産合計	503

（平成30年　2次試験　事例Ⅳ　第2問より）

答え

WACC ＝ (179 x 8(%))／503 + (324 x (1 ー 0.3) x 1(%))／503

　　　 ＝ 　3.2978・・・

　　　 ＝　3.30（％）

WACC を算出するための公式は次のとおりです。

E：自己資本、D：負債、t：税率　とすると、

WACC = （E x 自己資本の資本コスト）／（E+D）　
　　　　　＋｛ Dｘ（1−t）x 負債の資本コスト｝／（E+D）　

この式に対応する値は、問題文から読み取ると、

E：179　（貸借対照表の純資産合計）
自己資本の資本コスト：8%（問題文中に記載されている株主資本に対する資本コスト）
D：324　（貸借対照表の負債合計）
t ：0.3 （問題文中に記載されている税率）
負債の資本コスト：1%（問題文中に記載されている負債に対する資本コスト）

となります。これを公式にあてはめれば、上述のとおりの答えが算出できます。